秋の家計見直し|固定費を見直す5つの順番|2026年9月版

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秋の家計見直し|固定費を見直す5つの順番

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本記事の信頼性とお約束
金額と増減率の出所は総務省統計局の2系統です。家計調査(家計収支編)の2026年6月分および2025年平均と、2025年基準の消費者物価指数(全国)2026年7月分。数値を載せた箇所には、その数値が載っている公表ページへのリンクを本文中に置いています。金額はいずれも全国平均であって、世帯人員や住まいの形が違えば自分の家計とは一致しません。契約変更の可否・手数料は各契約先の公式ページでご確認ください。誤りを見つけた場合はご一報ください。確認のうえ、原則48時間以内に修正します。

秋に家計を見直すなら、日々の節約より先に「毎月自動で出ていく契約」を金額の大きい順に並べます。手続きは1回で、効き目は翌月から毎月続くからです。

総務省統計局が2026年8月7日に公表した家計調査によると、二人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり290,886円。前年同月比は名目で1.5%の減少、物価上昇分を除いた実質では3.3%の減少でした。支出額そのものは前年より減っています。それでも軽くなった感じがしないのは、減った金額以上に物価が上がっているからです。

この記事では、家計調査の費目別平均額を金額の大きい順に並べ、秋に手をつける順番を5段階で整理します。電気とガス、通信、定額サービス、住居、そして削れない社会保険料の順です。

数字はすべて総務省統計局の公表値で、出典URLを本文に置きました。平均額は目安であって答えではありません。使い方は、自分の請求書の金額を同じ並びに置き換えることです。

目次(クリックで該当セクションへ)
  1. 収入は増えたのに、なぜ家計は軽くならないのか?
  2. 秋に見直すのは、どの費目から?
  3. 電気とガスは、使い方より先に契約の形を見る
  4. 通信費11,636円は、いまの使い方に合っているか?
  5. 増えている費目こそ、棚卸しの本命
  6. 削れない固定費、社会保険料107,494円の位置づけ
  7. よくある質問(FAQ)
  8. 忙しい人向け 記事のまとめ

収入は増えたのに、なぜ家計は軽くならないのか?

名目と実質のズレが理由です。2025年平均でみると、勤労者世帯の実収入は1世帯当たり653,901円で、前年比は名目2.8%の増加。ところが消費者物価指数(総合)で実質化すると0.4%の減少に変わります。金額は増えて、買える量は減った。1年を通して符号が逆転していました。

同じ年の消費支出は314,001円で、名目4.6%の増加に対し実質は0.9%の増加。支出のほうは実質でもわずかに増えています。収入の実質はマイナス、支出の実質はプラス。この組み合わせが「増えた気がしない」の正体です。

権威性引用 2025年基準の消費者物価指数、2026年7月分の全国の総合指数は102.0(2025年=100)。前年同月比は1.9%の上昇です。生鮮食品を除く総合は102.1で1.8%の上昇、生鮮食品及びエネルギーを除く総合も102.1で1.9%の上昇でした。 出典:総務省統計局「2025年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)7月分」2026年8月21日公表(https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html

冒頭の6月分の数字も、この物価で説明がつきます。名目1.5%の減少から物価上昇分を差し引くと、実質3.3%の減少。財布から出た金額は1.5%減っただけなのに、その金額で買えた量は3.3%減っていた計算です。

実質化に使う指数は1種類ではない 家計調査の第2表は、増減率の実質化に消費者物価指数の「持家の帰属家賃を除く総合」を用いると注記しています。一方で2025年平均の実収入は「総合」でも実質化されており、こちらは0.4%の減少。どの指数で割り戻したかによって数字が動くため、比べるときは同じ実質化のもの同士で並べます。
博士、支出が減っているのに苦しい、って矛盾していませんか。減ったなら楽になるはずでは。
矛盾ではないぞ。減ったのは金額、減らされたのは量じゃ。名目1.5%減の裏で実質は3.3%減。同じ290,886円でも、去年より少ししか買えておらん。

秋に見直すのは、どの費目から?

金額が大きく、かつ契約を1回変えれば毎月効く費目からです。下の表は家計調査2026年6月分の二人以上の世帯について、毎月ほぼ決まった額が出ていく費目を金額順に並べたものです。合計290,886円のうち、この5費目で98,423円を占めます。

費目1か月の平均額前年同月比見直しの型
自動車等関係費27,536円3.5%の減少保有する台数と使用頻度から見る
住居21,113円3.6%の増加更新や修繕の予定と合わせて
光熱・水道19,837円7.1%の減少契約先とプランを差し替える
教養娯楽サービス18,301円6.1%の増加使っていない定額を止める
通信11,636円3.9%の減少いまの使用量に合わせ直す

手をつける順番は、金額順ではなく「手続きの軽さ×効き続ける長さ」で決めます。契約先を替えるだけで済む光熱・水道と通信が先。保有そのものを問い直す自動車と、更新時期に縛られる住居は後回しでかまいません。

この平均額は誰の家計か 同じ2026年6月分の第2表によると、集計された二人以上の世帯は世帯人員が平均2.86人、世帯主の平均年齢が60.8歳、持家率は88.3%です。単身で賃貸に住む人の請求額とは前提が違います。表は自分の金額を書き込む枠として使ってください。

電気とガスは、使い方より先に契約の形を見る

光熱・水道19,837円の中身は、電気代9,948円、ガス代4,233円、上下水道料5,269円、他の光熱388円です。前年同月比は電気代が5.5%の減少、ガス代が11.3%の減少、上下水道料が2.0%の減少でした。この3つのうち、契約先を選べるのは電気とガスです。

ひとつ押さえておきたいのは、これが6月分の数字だという点。冷房も暖房も本格化する前の月です。年間で最も重い月の請求額を、この平均で見積もると足りません。

  1. 検針票か契約先のマイページで、直近12か月の使用量(kWh・m³)を月ごとに書き出す
  2. いまの契約プランと契約容量(アンペア数など)を確認する
  3. 同じ使用量を他社の料金表に当てはめて、年間の合計で比べる
  4. 切替の手数料、解約時の条件、キャンペーンの適用期間を各社の公式ページで確認する

比較を月単位でやると、冷暖房の重い月と軽い月で結論が入れ替わります。年間合計で並べるのが確実です。

使用量そのものを落とす工夫は、契約を整えたあとの話。順番を逆にすると、効き目の小さいほうに時間を使うことになります。

通信費11,636円は、いまの使い方に合っているか?

家計調査の「通信」は携帯電話の料金だけではありません。固定電話、インターネット接続料、郵便料をまとめた費目です。2026年6月分は1世帯当たり11,636円で、前年同月比3.9%の減少。世帯人員が平均2.86人なので、複数回線の合計とみるのが自然です。

この費目が下がり続けているのは、料金プランの選び直しが世の中全体で進んだ結果とみられます。逆に言えば、数年前に決めたプランのまま止まっている家庭ほど、平均との差は開く一方です。

  1. 直近3か月の月別データ使用量を、回線ごとに確認する
  2. 契約中のプランの上限と、実際の使用量の差を出す
  3. 端末代の分割払いが残っているか、いつ終わるかを確認する
  4. 自宅の固定回線と携帯のセット割が、いまの契約でも成立しているか調べる

端末代の残債は、契約先を替える判断に直接かかわります。残り回数を知らないまま比較すると、月額だけ安くなって総額が増えることがあります。

わたし、通信費は平均より安いから見直さなくていいと思っていました。
平均は2.86人ぶんの合計じゃからな。1人ぶんと比べても意味がない。比べる相手は去年の自分の請求書じゃよ。使う量が変わったのに、プランだけ据え置きになっておらぬか。

増えている費目こそ、棚卸しの本命

2026年6月分で増えていたのは、教養娯楽サービス18,301円(6.1%の増加)と住居21,113円(3.6%の増加)です。減っている費目を削るより、増えている費目を止めるほうが取り分は大きくなります。

教養娯楽サービスには、月々定額で払う各種のサービスが含まれます。契約した記憶が薄いものほど、明細を見ないと気づけません。

住居21,113円の中身は家賃だけではない 同じ月の家賃地代は7,732円で、前年同月比9.7%の減少。住居全体との差である13,381円は、設備の修繕や維持にあたる部分です。持家率88.3%という集計世帯の性格が、そのまま金額の形に出ています。賃貸住まいの人は家賃地代の行を、持家の人は差額の行を自分の数字に置き換えてください。

棚卸しのやり方はひとつだけ。クレジットカードと口座の明細を3か月ぶん並べ、毎月まったく同じ金額が出ている行に印をつけます。印のついた行が、あなたの家計の固定費です。

そのうえで、今月使ったかどうかを行ごとに書き込みます。3か月続けて使っていないものが、止める候補になります。

削れない固定費、社会保険料107,494円の位置づけ

2026年6月分の勤労者世帯は、実収入が1世帯当たり1,013,986円。ここから税と社会保険料である非消費支出203,341円が引かれ、可処分所得は810,644円になります。非消費支出のうち社会保険料は107,494円でした。

実収入が100万円を超えているのは、6月が賞与の月にあたるためです。内訳をみると臨時収入・賞与が342,277円計上されています。年間を通してこの水準が続くわけではありません。

社会保険料は契約を替えて下げられる種類の支出ではありません。だからこそ、選べる契約から順に触る意味があります。手取りの入口が固定されているぶん、出口の形を自分で決められる費目の価値が上がります。

権威性引用 2026年6月分の消費支出は1世帯当たり290,886円で、前年同月比は実質3.3%の減少、名目1.5%の減少。前月比(季節調整値)では実質6.4%の減少でした。勤労者世帯の実収入は1,013,986円で、前年同月比は名目3.9%の増加です。 出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2026年(令和8年)6月分」2026年8月7日公表(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html

秋にやることは、この5段階を上から順に1つずつ片づけるだけです。全部を今月中に終える必要はありません。

よくある質問(FAQ)

家計調査の平均額と自分の請求額が全然違います。おかしいのでしょうか?
おかしくありません。2026年6月分の集計対象は世帯人員が平均2.86人、世帯主の平均年齢が60.8歳、持家率88.3%の二人以上の世帯です。単身世帯や賃貸中心の世帯とは前提が違うため、金額が一致しないほうが普通です。平均額は自分の請求書を並べる枠として使ってください。根拠:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2026年6月分」
名目と実質は、どちらを見ればいいですか?
自分の口座から出ていく金額を管理するなら名目、暮らし向きが去年より楽になったかを見るなら実質です。家計調査の第2表は増減率の実質化に消費者物価指数の「持家の帰属家賃を除く総合」を用いると注記しています。2025年平均の実収入のように「総合」で実質化された数字もあるため、比べるときは実質化の方法をそろえてください。
6月分の電気代9,948円は、1年の目安になりますか?
なりません。6月は冷房も暖房も本格化する前の月です。家計調査は毎月公表されるので、真夏や真冬の水準を知りたい場合はその月の公表値を見ます。プランを比べるときは、月単位ではなく直近12か月の使用量を合計して当てはめるほうが結論がぶれません。
固定費と変動費の線引きはどこにありますか?
家計調査に「固定費」という費目はありません。統計の分類は食料・住居・光熱・水道といった費目分類です。この記事では、契約によって毎月自動的に金額が決まるものを固定費として扱い、その観点で費目を並べ替えました。実務上の線引きは、明細に毎月同じ金額が並ぶかどうかで判断できます。
見直した結果は、いつから請求に反映されますか?
契約変更の効力が発生した月以降の請求からです。切替の申込から適用までに何日かかるか、手数料や解約時の条件があるかは契約先ごとに違います。申込の前に各社の公式ページで適用開始の時期と費用を確認してください。年内に効かせたい場合は、逆算して申し込む月を決めることになります。
SUMMARY 忙しい人向け 記事のまとめ
  • 2026年6月分の消費支出は1世帯当たり290,886円。名目1.5%減に対し実質3.3%減で、金額より買える量の減り方が大きい
  • 2025年平均の勤労者世帯の実収入は653,901円。名目2.8%増でも実質は0.4%減と符号が逆転していた
  • 毎月決まって出ていく5費目は自動車等関係費27,536円、住居21,113円、光熱・水道19,837円、教養娯楽サービス18,301円、通信11,636円で合計98,423円
  • 着手は契約先を替えるだけで済む光熱・水道と通信から。電気代9,948円・ガス代4,233円・上下水道料5,269円の内訳で、選べるのは電気とガス
  • 増えている費目が本命。教養娯楽サービスは6.1%の増加、住居も3.6%の増加。明細3か月ぶんで毎月同額の行に印をつける
  • 勤労者世帯の可処分所得810,644円は、実収入1,013,986円から非消費支出203,341円(うち社会保険料107,494円)を引いた額。入口が固定なぶん出口を選ぶ
今日の持ち帰りは「明細を3か月ぶん並べて、毎月同じ金額の行に印をつける」ですね。
上出来じゃ。付け足すなら印をつけた行に「今月使ったか」を書き込むことじゃな。金額の大小より、使っておらぬ行のほうが先に止まる。

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この記事の著者・監修

博士

博士(フクロウ博士) 著者・監修

ファイナンシャル・プランナー有資格者。長年マネー記事の監修を務めるベテラン。古風な口調で、初心者がつまずきやすい仕組みを噛み砕いて解説する。担当領域:FX・株式・税金・社会保険・ポイ活税務。

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クルミ 構成協力

オトクル編集部の20代ライター。投資・ポイ活未経験から、記事執筆を通じて知識を積み上げてきた読者代表。読者と同じ目線でつまずきポイントを言語化することを得意とする。担当領域:副業・ポイ活・クレカ・暮らしのお金。