秋の家計見直し|固定費を見直す5つの順番
OTOKURU MONEY GUIDE 2026.09 ¥秋に見る固定費の順番

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秋に家計を見直すなら、日々の節約より先に「毎月自動で出ていく契約」を金額の大きい順に並べます。手続きは1回で、効き目は翌月から毎月続くからです。
総務省統計局が2026年8月7日に公表した家計調査によると、二人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり290,886円。前年同月比は名目で1.5%の減少、物価上昇分を除いた実質では3.3%の減少でした。支出額そのものは前年より減っています。それでも軽くなった感じがしないのは、減った金額以上に物価が上がっているからです。
この記事では、家計調査の費目別平均額を金額の大きい順に並べ、秋に手をつける順番を5段階で整理します。電気とガス、通信、定額サービス、住居、そして削れない社会保険料の順です。
数字はすべて総務省統計局の公表値で、出典URLを本文に置きました。平均額は目安であって答えではありません。使い方は、自分の請求書の金額を同じ並びに置き換えることです。
目次(クリックで該当セクションへ)
収入は増えたのに、なぜ家計は軽くならないのか?
名目と実質のズレが理由です。2025年平均でみると、勤労者世帯の実収入は1世帯当たり653,901円で、前年比は名目2.8%の増加。ところが消費者物価指数(総合)で実質化すると0.4%の減少に変わります。金額は増えて、買える量は減った。1年を通して符号が逆転していました。
同じ年の消費支出は314,001円で、名目4.6%の増加に対し実質は0.9%の増加。支出のほうは実質でもわずかに増えています。収入の実質はマイナス、支出の実質はプラス。この組み合わせが「増えた気がしない」の正体です。
冒頭の6月分の数字も、この物価で説明がつきます。名目1.5%の減少から物価上昇分を差し引くと、実質3.3%の減少。財布から出た金額は1.5%減っただけなのに、その金額で買えた量は3.3%減っていた計算です。
秋に見直すのは、どの費目から?
金額が大きく、かつ契約を1回変えれば毎月効く費目からです。下の表は家計調査2026年6月分の二人以上の世帯について、毎月ほぼ決まった額が出ていく費目を金額順に並べたものです。合計290,886円のうち、この5費目で98,423円を占めます。
| 費目 | 1か月の平均額 | 前年同月比 | 見直しの型 |
|---|---|---|---|
| 自動車等関係費 | 27,536円 | 3.5%の減少 | 保有する台数と使用頻度から見る |
| 住居 | 21,113円 | 3.6%の増加 | 更新や修繕の予定と合わせて |
| 光熱・水道 | 19,837円 | 7.1%の減少 | 契約先とプランを差し替える |
| 教養娯楽サービス | 18,301円 | 6.1%の増加 | 使っていない定額を止める |
| 通信 | 11,636円 | 3.9%の減少 | いまの使用量に合わせ直す |
手をつける順番は、金額順ではなく「手続きの軽さ×効き続ける長さ」で決めます。契約先を替えるだけで済む光熱・水道と通信が先。保有そのものを問い直す自動車と、更新時期に縛られる住居は後回しでかまいません。
電気とガスは、使い方より先に契約の形を見る
光熱・水道19,837円の中身は、電気代9,948円、ガス代4,233円、上下水道料5,269円、他の光熱388円です。前年同月比は電気代が5.5%の減少、ガス代が11.3%の減少、上下水道料が2.0%の減少でした。この3つのうち、契約先を選べるのは電気とガスです。
ひとつ押さえておきたいのは、これが6月分の数字だという点。冷房も暖房も本格化する前の月です。年間で最も重い月の請求額を、この平均で見積もると足りません。
- 検針票か契約先のマイページで、直近12か月の使用量(kWh・m³)を月ごとに書き出す
- いまの契約プランと契約容量(アンペア数など)を確認する
- 同じ使用量を他社の料金表に当てはめて、年間の合計で比べる
- 切替の手数料、解約時の条件、キャンペーンの適用期間を各社の公式ページで確認する
比較を月単位でやると、冷暖房の重い月と軽い月で結論が入れ替わります。年間合計で並べるのが確実です。
使用量そのものを落とす工夫は、契約を整えたあとの話。順番を逆にすると、効き目の小さいほうに時間を使うことになります。
通信費11,636円は、いまの使い方に合っているか?
家計調査の「通信」は携帯電話の料金だけではありません。固定電話、インターネット接続料、郵便料をまとめた費目です。2026年6月分は1世帯当たり11,636円で、前年同月比3.9%の減少。世帯人員が平均2.86人なので、複数回線の合計とみるのが自然です。
この費目が下がり続けているのは、料金プランの選び直しが世の中全体で進んだ結果とみられます。逆に言えば、数年前に決めたプランのまま止まっている家庭ほど、平均との差は開く一方です。
- 直近3か月の月別データ使用量を、回線ごとに確認する
- 契約中のプランの上限と、実際の使用量の差を出す
- 端末代の分割払いが残っているか、いつ終わるかを確認する
- 自宅の固定回線と携帯のセット割が、いまの契約でも成立しているか調べる
端末代の残債は、契約先を替える判断に直接かかわります。残り回数を知らないまま比較すると、月額だけ安くなって総額が増えることがあります。
増えている費目こそ、棚卸しの本命
2026年6月分で増えていたのは、教養娯楽サービス18,301円(6.1%の増加)と住居21,113円(3.6%の増加)です。減っている費目を削るより、増えている費目を止めるほうが取り分は大きくなります。
教養娯楽サービスには、月々定額で払う各種のサービスが含まれます。契約した記憶が薄いものほど、明細を見ないと気づけません。
棚卸しのやり方はひとつだけ。クレジットカードと口座の明細を3か月ぶん並べ、毎月まったく同じ金額が出ている行に印をつけます。印のついた行が、あなたの家計の固定費です。
そのうえで、今月使ったかどうかを行ごとに書き込みます。3か月続けて使っていないものが、止める候補になります。
削れない固定費、社会保険料107,494円の位置づけ
2026年6月分の勤労者世帯は、実収入が1世帯当たり1,013,986円。ここから税と社会保険料である非消費支出203,341円が引かれ、可処分所得は810,644円になります。非消費支出のうち社会保険料は107,494円でした。
実収入が100万円を超えているのは、6月が賞与の月にあたるためです。内訳をみると臨時収入・賞与が342,277円計上されています。年間を通してこの水準が続くわけではありません。
社会保険料は契約を替えて下げられる種類の支出ではありません。だからこそ、選べる契約から順に触る意味があります。手取りの入口が固定されているぶん、出口の形を自分で決められる費目の価値が上がります。
秋にやることは、この5段階を上から順に1つずつ片づけるだけです。全部を今月中に終える必要はありません。
よくある質問(FAQ)
家計調査の平均額と自分の請求額が全然違います。おかしいのでしょうか?
名目と実質は、どちらを見ればいいですか?
6月分の電気代9,948円は、1年の目安になりますか?
固定費と変動費の線引きはどこにありますか?
見直した結果は、いつから請求に反映されますか?
- 2026年6月分の消費支出は1世帯当たり290,886円。名目1.5%減に対し実質3.3%減で、金額より買える量の減り方が大きい
- 2025年平均の勤労者世帯の実収入は653,901円。名目2.8%増でも実質は0.4%減と符号が逆転していた
- 毎月決まって出ていく5費目は自動車等関係費27,536円、住居21,113円、光熱・水道19,837円、教養娯楽サービス18,301円、通信11,636円で合計98,423円
- 着手は契約先を替えるだけで済む光熱・水道と通信から。電気代9,948円・ガス代4,233円・上下水道料5,269円の内訳で、選べるのは電気とガス
- 増えている費目が本命。教養娯楽サービスは6.1%の増加、住居も3.6%の増加。明細3か月ぶんで毎月同額の行に印をつける
- 勤労者世帯の可処分所得810,644円は、実収入1,013,986円から非消費支出203,341円(うち社会保険料107,494円)を引いた額。入口が固定なぶん出口を選ぶ
